3. TNSによる津波伝播・遡上計算

 津波シミュレータTNSは、以下の手順でシミュレーションの一連の処理を実施できます。

  1. 公開データ変換ツールの実行

  2. 計算パラメータ記述XMLファイルの作成

  3. 計算条件設定ツールの実行

  4. 津波初期波高計算ツールの実行

  5. 津波伝播・遡上計算ソルバーの実行

  6. 計算結果のポスト処理


../../_images/3-1_simulator_concept.png

3.1. 公開データ変換ツールの実行

以下の手順でconvertCAOdataを実行し、公開されている津波計算用データ [1] をTNSで使用可能な形式に変換することができます。

  1. 計算範囲設定ファイルおよび変換する公開データが存在するか確認します。


  1. 以下のコマンドを入力します。

$./convertCAOdata  [Type] XXX.dat YYY.dat ZZZ.dat

XXX.datは計算範囲設定ファイル、YYY.datはダウンロードしたデータファイル、ZZZ.datは出力ファイル名を示します。

Typeは入力ファイルの種別を表し、以下のいずれかが指定可能です。

  • 水深データ ‘depth’

  • 粗度データ ‘fm’

  • 施設データ ‘ir’

入力ファイルを指定しなかった場合、以下の使用方法が表示されます。

SYNOPSIS
    Usage: convertCAOdata <Type> <Mesh Setting file> <INPUT 2D ASCII file> <OUTPUT 2D ASCII file>

DESCRIPTION
    convertCAOdata makes 2D ASCII file.

EXAMPLES
    convertCAOdata depth ./mesh.dat ./depth_0810-01.dat ./TPG_M0810-R0001.dat

COPYRIGHT
    Copyright (C) 2012-2022, NIED, All rights reserved.

  1. 処理内容と入力ファイルの情報が標準出力に出力されます。


  1. 正常に終了すると、ASCIIファイルが作成されます。


3.1.1. 計算範囲設定ファイルの作成

計算範囲設定ファイルは以下の項目が記述されたASCIIファイルです。区切り文字は半角スペースまたはタブとします。

  • エリアNo.

  • メッシュサイズ

  • 南西端の位置(X座標,Y座標)

  • 北東端の位置(X座標,Y座標)

  • 北西端の位置(X座標,Y座標)

  • メッシュ個数(X方向,Y方向)

内閣府が公開する計算範囲設定エクセルから作成できます。


作成手順

  1. 「mesh.dat」等のテキストファイルを作成します。

../../_images/3-2_console.png

  1. 計算範囲設定データのエクセルファイルを開き、各格子間隔シートのエリアNo.からメッシュ個数までのデータをコピーします。

../../_images/3-3_excel.png

  1. テキストファイルの末尾にコピーしたデータを張り付けます。

../../_images/3-4_textfile.png


3.2. 計算パラメータ記述XMLファイルの作成

TNS実行に必要なパラメータをXMLファイルに記述します。

XMLファイルの構成は以下の通りです。

  1. 計算プロジェクト設定

  2. 津波初期波高計算設定

  3. 津波伝播計算設定

  4. 計算領域設定

  5. その他計算設定

  6. 出力設定

  7. ファイル可視化設定



3.2.1. 計算プロジェクト設定

計算ケースを識別するための情報を記述します。

XMLファイル設定

ConfMakerSettingFile

ProjectName

説明

計算結果を識別するためのプロジェクト名を指定します。

tns-solver/tns-solver_gpuの出力先は<ProjectName>ディレクトリ内の’OUTPUT’となります。

設定例

ex01

DestDir

説明

中間ファイル出力ディレクトリ名を指定します。

ConfMaker, IWHMakerの出力先は<ProjectName>ディレクトリ内の<DestDir>ディレクトリとなります。

デフォルト値

DEST

Datum

説明

出力GeoTIFFのEPSGを指定します。

デフォルト値

3100


ex01.xml設定例(L.1~L.5)。

../../_images/3-2-1_ex01.png

3.2.2. 津波初期波高計算設定

IWHMakerによる初期波高計算に必要な設定を記述します。

XMLファイル設定

ConfMakerSettingFile

CalcParameter

InitialWaveHeightSetting

DeformationTolerance

説明

地殻変動計算の打ち切り変動量(m)を指定します。指定された打ち切り変動量に応じて、地殻変動計算を高速化します。

0.0を指定した場合、高速化は行いません。

設定例

0.0

HorizontalDeformation

説明

水平地殻変動を考慮するかを指定します

0:考慮しない, 1:Tanioka and Sateke (1996)に基づいて考慮

設定例

0

HydraulicFilter

説明

水理フィルタを考慮するかを指定します

0:考慮しない, 1:Kajiura (1963)に基づいて考慮

設定例

0

FaultModel

CoordinateType

説明

断層パラメータ設定座標系

0:直交座標系, 1:球座標系

設定例

0

FileName

説明

断層パラメータファイル名

設定例

./DATA/Fault_Mw82_RECT.dat

ex01.xml設定例(L.6~L.15)。

../../_images/3-2-2_ex01.png

ex03.xml設定例(L.7~L.15)

誤差0.001mまでを許容してOkada式計算を高速化、水平地殻変動考慮、水理フィルタ有効

../../_images/3-2-3_ex03.png

断層パラメータファイル

断層パラメータファイルは波源断層に関する以下の値を記述したASCIIデータファイルです。

  • 断層原点Y座標, X座標(UTM座標、単位は[m]), 海面基準深さ[m], 海底基準深さ[m]

  • 断層の走向方向[度], 傾斜角[度], すべり角[度], 長さ[m], 幅[m], 全すべり量[m]

  • 要素断層名(型など), 破壊開始時刻[秒], すべり継続時間[秒]


多数(数百~数千)の要素断層で近似する波源断層も、1つの断層パラメータファイルに数百~数千行の要素断層パラメータを記述することで表現が可能です。


断層パラメータファイル記述例

../../_images/3-2-4_faulting_parameter_file.png

日本近海の断層パラメータ設定例(座標系はUTM Zone54)

../../_images/3-2-5_faulting_parameter.png

3.2.3. 津波伝播計算設定

tns-solverによる津波伝播計算に必要な設定を記述します。

XMLファイル設定

XMLファイル設定

ConfMakerSettingFile

CalcParameter

TsunamiCalcSetting

TotalTime

説明

計算時間(秒)

設定例

3600.0

TimeIncrement

説明

最小時間刻み(秒)

設定例

0.5

TideWaterLevel

説明

潮位(cm)

デフォルト値

0.0

RiseUpType

説明

動的水位変動反映方法

0:立ち上がり時間考慮なし, 1:立ちあがり線形補間

デフォルト値

0

FlowVelocityLimit

説明

流速の上限値

※負の値を設定すると無効となります。

デフォルト値

-1.0(無効値)

FroudeNumberLimit

説明

フルード数の上限値

※負の値を設定すると無効となります。流速の上限値と両立可能です。

デフォルト値

2.0


ex01.xml設定例(L.16~L.22)

../../_images/3-2-6_ex01.png

ex03.xml設定例

潮位 T.P.+93cm(L.16~L.22)

../../_images/3-2-7_ex03.png

3.2.4. 計算領域設定

津波伝播計算を実施する領域の階層に関する設定を記述します。

XMLファイル設定

XMLファイル設定

ConfMakerSettingFile

CalcParameter

LayerSet

Layer

LayerNo

説明

階層番号

設定例

2

GridSize

説明

階層の格子間隔(cm)

設定例

270

TimeIncrementRatio

説明    

計算時間刻み幅の比

1または3が設定可能です。3を指定した場合、上位の階層と計算時間刻み比1:3で時間ネスティング接続します。

デフォルト値

1


ex01.xml設定例(L.23~L.34)。

../../_images/3-2-8_ex01.png

ex01.xmlでは、計算領域の階層を以下の通りに設定しています。

項目

格子間隔

計算時間刻み

階層1

810m

1.5(=0.5*1*3)秒

階層2

270m

0.5(=0.5*1)秒


ex03.xml設定例

2430m格子領域から10m格子領域までを接続する場合の階層設定

../../_images/3-2-9_ex03.png

10m格子領域の時間刻みを0.25秒とすると各領域の時間刻みは以下の通りに設定されます。

項目

格子間隔

計算時間刻み

階層1

2430m

2.25秒(=0.25*3*3)

階層2

810m

0.75秒(=0.25*3)

階層3

270m

0.75秒(=0.25*3)

階層4

90m

0.25秒

階層5

30m

0.25秒

階層6

10m

0.25秒


津波伝播計算を実施する領域に関する設定を記述します。

XMLファイル設定

ConfMakerSettingFile

CalcParameter

Region

RegionNo

説明

領域識別番号

設定例

1

RegionName

説明

領域名

設定例

D4000-M0810

BaseRegionNo

説明

ネスティング親領域の領域番号

設定例

0

CoordinateType

説明

0:直交座標系, 1:球座標系

設定例

0

GridSize

説明

格子間隔(m)

設定例

810

NonLinearTerm

説明

運動方程式の非線形項を設定します。

0:非線形項なし, 1:非線形項あり

デフォルト値

0

Topography

FileName

説明

地形データファイル名

設定例

./DATA/TPG_D4000-M0810.dat

RoughnessCoefficient

UniformValue

説明

粗度係数

設定例

0.025

FileName

説明

粗度係数データファイル名

設定例

-

WaveHeight

FileName

説明

初期波高データファイル名

設定例

-

ConstructionLineData

FileName

説明

構造物ラインデータファイル名

設定例

-

LandMap

FileName

説明

陸判定マップデータファイル名

設定例

-


<Topography>, <RoughnessCoefficient>, <WaveHeight>では、

<FileName>の代わりに<UniformValue>を使うことで一定値を指定することができます。

ex01.xml設定例(L.35~L.62)

../../_images/3-2-10_ex01.png

ex03.xml設定例(10m格子領域に対する詳細な設定)

../../_images/3-2-11_ex03.png

3.2.5. その他計算設定

ConfMakerによる沿岸構造物の地震時破壊およびtns-solverによる構造物越流に関する設定を記述します。

XMLファイル設定

ConfMakerSettingFile

CalcParameter

ConstructionLineParameter

FileName

説明

構造物ラインパラメータファイル名

設定例

-


ex01.xmlでは構造物を設定していないため、構造物に関する設定は記述していません。

ex03.xmlの設定例

構造物ラインパラメータConstLine-Param-160323_0002.datの設定

../../_images/3-2-12_ex03.png

3.2.6. 出力設定

tns-solverの出力設定を記述します。

出力選択の項目はすべて、「0:出力しない, 1:出力する」となります。記述を省略した場合、ファイルは出力されません。

XMLファイル設定

ConfMakerSettingFile

CalcOutputSetting

OutputStartTime

説明

出力開始時間(秒)

設定例

0.0

Dump1d

Interval

説明

時系列出力時間刻み(秒)

設定例

5.0

StationPos

FileName

説明

観測点データファイル

設定例

Station.dat

Buffering

説明

時系列出力のバッファリング

1:計算終了時に時系列データを出力(1推奨)

設定例

1

Monolithic

説明

時系列出力の制御

0:観測点ごとに出力, 1:集約して出力(1推奨)

設定例

1

WaterHeight

Output

説明

水位時系列ファイルの出力選択

設定例

1

TotalDepth

Output

説明

全水深時系列ファイルの出力選択

設定例

1

WaterDischarge

Output

説明

線流量時系列ファイルの出力選択

設定例

0

Dump2d

Interval

説明

スナップショット出力時間刻み(秒)

設定例

300.0

WaterHeight

Output

説明

水位スナップショットファイルの出力選択

設定例

1

WaterDischarge

Output

説明

線流量スナップショットファイルの出力選択

設定例

1

CoastalPoint

Interval

説明

沿岸水位 / 相対水位出力時間刻み(秒)

設定例

300.0

ExtractPoint

FileName

説明

沿岸水位抽出点ファイル名

設定例

./DATA/EXP/M0010/ExtractCoastalPoint-M0010-R0010.dat

WaterHeight

Output

説明

沿岸最大水位・沿岸水位スナップショットCSVファイルの出力選択

設定例

1

WaterHeightArrivalTime

Output

説明

沿岸水位到達時間CSVファイルの出力選択

設定例

1

ThresholdFileName

説明

沿岸水位到達時間閾値設定ファイル名

設定例

./DATA/HeightThreshold.dat

RelativeWaterHeight

Output

説明

沿岸最大相対水位・沿岸相対水位スナップショットCSVファイルの出力選択

設定例

1

RelativeWaterHeightArrivalTime

Output

説明

沿岸相対水位到達時間CSVファイルの出力選択

設定例

1

ThresholdFileName

説明

沿岸相対水位到達時間閾値設定ファイル名

設定例

./DATA/HeightThreshold.dat

Land

Interval

説明

出力時間刻み(秒)

設定例

300.0

Inundation

Output

説明

陸域最大浸水深・陸域浸水深スナップショットバイナリファイルの出力選択

設定例

1

InundationArrivalTime

Output

説明

陸域浸水深到達時間バイナリファイルの出力選択

設定例

1

ThresholdFileName

説明

浸水深到達時間閾値設定ファイル名

設定例

./DATA/InundationThreshold.dat


出力ファイルの詳細は3.5. 津波伝播・遡上計算ソルバーの実行に記述します。

ex01.xmlの設定例(L.64~L.92)。

../../_images/3-2-13_ex01.png

ex01.xmlでは、計算結果出力を以下の通りに設定しています。

項目

内容

備考

出力開始時間

0秒から出力

時系列出力時間刻み

5秒

観測点データファイル

./DATA/Station.dat

時系列出力のバッファリング

有効

時系列出力の制御

全観測点の結果を集約して1つのファイルに出力

水位時系列の出力

有効

全水深時系列の出力

有効

線流量時系列の出力

無効

スナップショット出力時間刻み

300秒

水位スナップショットの出力

有効

線流量スナップショットの出力

有効

沿岸最大水位の出力

無効

(記述省略)

沿岸水位スナップショットの出力

無効

(記述省略)

陸域最大浸水深の出力

無効

(記述省略)

陸域浸水深スナップショットの出力

無効

(記述省略)


ex03.xmlの設定例

スナップショット出力間隔を300秒とし,

閾値設定ファイルHeightThreshold.datとInundationThreshold.datを使用する場合の設定の例

../../_images/3-2-14_ex03.png

3.2.7. ファイル可視化設定

ConfMakerにより入力ファイルを可視化する際の設定を記述します。

XMLファイル設定

XMLファイル設定

ConfMakerSettingFile

GeotiffSetting

Topography

FileName

説明

地形標高データカラーマップ

設定例

./DATA/colormapTPG.dat

RoughnessCoefficient

FileName

説明

粗度係数分布カラーマップ

設定例

./DATA/colormapRCF.dat

WaveHeight

FileName

説明

水位変動カラーマップ

設定例

./DATA/colormapZ.dat


ex01.xml設定例(L.93~L.103)。

../../_images/3-2-15_ex01.png

3.3. 計算条件設定ツールの実行

以下の手順で計算条件設定ツールConfMakerを実行します。

1.以下のファイルを準備します。

  1. 計算パラメータ記述XMLファイル

  2. 地形標高データファイル

  3. 観測点データファイル

  4. 断層パラメータファイル

  5. [オプション]粗度係数データファイル

  6. [オプション]陸判定マップデータファイル

  7. [オプション]構造物ラインデータファイル

  8. [オプション]構造物ラインパラメータファイル

  9. カラーマップファイル(ASCIIファイル)

  10. [オプション]津波高到達時間閾値データ(ASCIIファイル)

  11. [オプション]浸水深到達時間閾値データ(ASCIIファイル)


  1. 環境変数LD_LIBRARY_PATHにGDAL 1.11.4およびXerces-C++ 3.1.2のlibディレクトリパスを追加します。


  1. 以下のコマンドを入力します。

$./ConfMaker  XXX.xml

XXX.xmlは計算パラメータ記述XMLファイルのファイルパスを示します。

入力ファイルを指定しない場合、以下の使用方法が表示されます。

=============================================
       ConfMaker version 1.1.938
=============================================

SYNOPSIS
    Usage: ConfMaker <XML filename>

DESCRIPTION
    ConfMaker makes a TNS project.
    ConfMaker makes GeoTIFF Files and shapefiles.

EXAMPLES
    $./ConfMaker ./Example.xml

COPYRIGHT
    Copyright (C) 2012-2022, NIED, All rights reserved.

  1. 正常に終了すると、標準出力に

Successful Completion. ( ConfMaker Done. )

が表示されます。


  1. カレントディレクトリに、

  • 初期波高計算プログラム設定ASCIIファイル(IWHConf_(プロジェクト名).txt)

  • 津波伝播計算ソルバー設定ASCIIファイル(CalcParameter_(プロジェクト名).txt)

が出力されます。

(プロジェクト名)は計算パラメータ記述XMLファイルの<ProjectName>で指定したプロジェクト名を表します。

計算設定XMLファイルで指定したディレクトリに以下のファイルが出力されます。

出力先ディレクトリが存在しない場合、自動的にディレクトリを作成してファイルを出力します。

No.

項目

内容

ファイル名

Dump1d_BEST.txt / CoastExtractPoint_[領域名].txt

種別

観測点集約ファイル

説明

観測点(Dump1d_BEST)および沿岸水位抽出点(CoastExtractPoint)の計算メッシュ情報を記述したASCIIファイルです。

ファイル名

Station / ExtractPoint .shp / .dbf / .prj / .shx

種別

観測点位置情報シェイプファイル

説明

観測点(Station) / 沿岸水位抽出点(ExtractPoint)の位置情報を示すシェイプファイルです。

ファイル名

Fault .shp / .dbf / .prj / .shx

種別

断層地表投影形状シェイプファイル

説明

設定した断層パラメータファイルの断層地表投影形状を示すシェイプファイルです。

ファイル名

TPG_[領域名].bin / .tiff

種別

地形標高バイナリファイル、GeoTIFFファイル

説明

設定した地形標高データのバイナリ形式ファイルおよびGeoTIFF形式ファイルです。

バイナリ形式ファイルはtns-solverの入力ファイルとなります。

ファイル名

RCF_[領域名].bin / .tiff

種別

粗度係数バイナリファイル、GeoTIFFファイル

説明

設定した粗度係数データのバイナリ形式ファイルおよびGeoTIFF形式ファイルです。

バイナリ形式ファイルはtns-solverの入力ファイルとなります。

ファイル名

LSM_[領域名].bin / .tiff

種別

陸判定マップバイナリファイル、GeoTIFFファイル

説明

設定した陸判定マップデータのバイナリ形式ファイルおよびGeoTIFF形式ファイルです。設定がなかった場合、ConfMakerが地形標高データおよび潮位から、陸判定マップを生成し出力します。

バイナリ形式ファイルはtns-solverの入力ファイルとなります。

ファイル名

WBM_[領域名].bin / .tiff

種別

構造物マップバイナリファイル、GeoTIFFファイル

説明

設定した構造物ラインデータの種別を表すバイナリ形式ファイルおよびGeoTIFF形式ファイルです。

バイナリ形式ファイルはtns-solverの入力ファイルとなります。

ファイル名

WBH_[領域名].bin / WBH[N/E]_[領域名].tiff

種別

構造高バイナリファイル、GeoTIFFファイル

説明

設定した構造物ラインデータの天端高を表すバイナリ形式ファイルおよびGeoTIFF形式ファイルです。

バイナリ形式ファイルはtns-solverの入力ファイルとなります。

GeoTIFFのファイル名は以下のデータに対応します。

'WBHN':メッシュ北辺構造物高データ

'WBHE':メッシュ東辺構造物高データ

ファイル名

VRT_[領域名].txt

種別

鉛直地殻変動量分布作用リストファイル

説明

断層パラメータファイルで設定された破壊開始時間およびすべり継続時間と地殻変動量分布の対応関係を記述するファイルです。

ファイル形式は、「破壊開始時間、すべり継続時間、バイナリファイルパス」の組を1行に記述したASCIIファイルです。 「破壊開始時間」および「すべり継続時間」は単位秒、書式%16dで記述されます。

ファイル名

IWH_[領域名].txt

種別

初期津波高分布作用リストファイル

説明

断層パラメータファイルで設定された破壊開始時間およびすべり継続時間と初期津波高分布の対応関係を記述するファイルです。

ファイル形式は、「破壊開始時間、すべり継続時間、バイナリファイルパス」の組を1行に記述したASCIIファイルです。 「破壊開始時間」および「すべり継続時間」は単位秒、書式%16dで記述されます。


例題計算ex01のConfMaker出力可視化例

地形標高データGeoTIFF・観測点シェイプファイル・断層シェイプファイルの可視化

../../_images/3-5_visualization_file.png

3.4. 津波初期波高計算ツールの実行

以下の手順で津波初期波高計算ツールIWHMakerを実行します。

  1. 以下のファイルを準備します。

  1. 初期波高計算ツール設定ASCIIファイル

  2. 地形標高データファイル

  3. 断層パラメータファイル


  1. 実行ファイルIWHMakerの含まれているディレクトリに移動します。


  1. 以下のコマンドを入力します。

$./IWHMaker  IWHMaker_XXX.txt

IWHMaker_XXX.txtは初期波高計算ツール設定ASCIIファイルのファイルパスを示します。

入力ファイルを指定しない場合、以下の使用方法が表示されます。

=============================================
       IWHMaker version 1.1.938
=============================================

SYNOPSIS
    Usage: IWHMaker <Config filename>

DESCRIPTION
    IWHMaker makes a Tsunami Initail Wave Height.

EXAMPLES
    IWHMaker ./IWHConf_EXAMPLE.txt

COPYRIGHT
    Copyright (C) 2012-2022, NIED, All rights reserved.

  1. 正常に終了すると、下記メッセージが標準出力に表示されます。

Successful Completion. ( IWHMaker Done. )

計算設定XMLファイルで指定したディレクトリに以下のファイルが出力されます。

No.

項目

内容

ファイル名

VRT_[領域名]_[作用時間].bin

種別

鉛直地殻変動量バイナリデータファイル

説明

鉛直地殻変動量のバイナリ形式ファイルです。作用時間は単位秒、書式%04dで記述されます。

ファイル名

HRZ_[領域名]_[作用時間].bin

種別

水平地殻変動水位変化量バイナリデータファイル

説明

水平地殻変動水位変化量のバイナリ形式ファイルです。作用時間は単位秒、書式%04dで記述されます。

ファイル名

IWH_[領域名]_[作用時間].bin

種別

初期津波高バイナリデータファイル

説明

初期津波高のバイナリ形式ファイルです。作用時間は単位秒、書式%04dで記述されます。


3.5. 津波伝播・遡上計算ソルバーの実行

以下の手順で津波伝播・遡上計算ソルバーtns-solver / tns-solver_gpuを実行します。

  1. tns_solver_gpuを実行する場合、環境変数LD_LIBRARY_PATHにCUDA のlibディレクトリパスを追加します。GNU版ではCUDA7.5、Intel版ではCUDA10.1の設定が必要です。


  1. 実行ファイルと入力ファイルを用意し、以下のコマンドを入力します。CPUを用いたシリアル実行、CPUにおけるOpenMPによるスレッド並列実行、GPUによる実行が可能です。計算機環境にあわせて選択してください。

CPU実行, シリアル実行の場合

$export OMP_NUM_THREADS=1
$./tns-solver  CalcParameter_XXX.txt

CalcParameter_XXX.txtは計算条件設定ASCIIファイルを示します。


CPU, OpenMP 8並列実行の場合

$export OMP_NUM_THREADS=8
$./tns-solver  CalcParameter_XXX.txt

GPU実行の場合

$./tns-solver_gpu  CalcParameter_XXX.txt  n

nは使用するGPUデバイスの番号を示します。指定しない場合、0が設定されます。


入力ファイルを指定しない場合、以下の使用方法が表示されます。

tns-solver

=============================================
       tns-solver version 1.1.938
=============================================

SYNOPSIS
    Usage: tns-solver <CalcParameter filename>

DESCRIPTION
    tns-solver simulates TSUNAMI propargation and run-up.

EXAMPLE
    $./tns-solver CalcParameter_EXAMPLE.txt

COPYRIGHT
    Copyright (C) 2012-2022, NIED, All rights reserved.

tns-solver_gpu

========================================================
      tns-solver_gpu   version 1.1.938
========================================================

SYNOPSIS
    Usage: tns-solver_gpu <CalcParameter filename> <Device Number>

DESCRIPTION
    tns-solver_gpu calculates TSUNAMI propargation and run-up using GPU.

EXAMPLE
    $./tns-solver_gpu CalcParameter_EXAMPLE.txt 0

COPYRIGHT
    Copyright (C) 2012-2022, NIED, All rights reserved.

  1. 処理内容と入力ファイルの情報が標準出力に出力されます。計算が始まると、10ステップごとに現在のステップ数が標準出力に出力されます。また、100ステップごとに、水位、X方向の流量、Y方向の流量の最大値と最小値が標準出力に出力されます。


  1. 正常に終了すると、計算実行時間が出力されます。(プロジェクト名)/OUTPUTディレクトリに計算結果ファイルが出力されます。


※ 2. の実行時に計算条件設定ASCIIファイルの鉛直地殻変動量分布ファイル(# Vertical Deformation File Listの1行下)と初期津波高分布ファイル(# Initial Wave Height File Listの1行下)を空行とすることで、鉛直地殻変動量分布と初期津波高分布を親領域からの補間により与えることが可能です。


tns-solverの出力ファイルは以下の通りです。


ファイル名識別子と出力データ物理量の対応関係は

Z:水位(m)

M:X方向線流量(m2/s)

N:Y方向線流量(m2/s)

D:全水深変動(m)

となっています。


No.

項目

内容

ファイル名

Dump1dUni_Z/M/N/D.bin

種別

観測点時系列バイナリファイル

説明

観測点の時系列データが出力されるバイナリファイルです。

ファイル名

Z/M/N[領域番号]_t[出力時間].bin

種別

スナップショットバイナリファイル

説明

計算領域全点におけるスナップショットを格納した2次元データのバイナリファイルです。出力時間刻み・計算領域ごとにファイルが出力されます。出力時間は単位秒、書式%06dの整数値で記述されます。

ファイル名

ZMAX/MMAX/NMAX[領域番号].bin

種別

最大分布バイナリファイル

説明

計算領域全点における最大値の分布を格納した2次元データのバイナリファイルです。計算領域ごとにファイルが出力されます。

ファイル名

Coastal-AbsHeight_t[出力時間].csv

種別

沿岸最大水位CSVファイル

説明

沿岸水位抽出点における水位変動(m)のスナップショットが出力されるCSVファイルです。出力時間刻みごとにファイルに出力されます。出力時間は単位秒、書式%06dの整数値で記述されます。

ファイル名

Coastal-MaxAbsHeight.csv

種別

沿岸最大水位CSVファイル

説明

沿岸水位抽出点における最大水位変動(m)および到達時間(秒)が出力されるCSVファイルです。

全抽出点の最大水位変動・到達時間がひとつのファイルに出力されます。

ファイル名

Coastal-ArrivalTimeHeight.csv

種別

沿岸水位到達時間CSVファイル

説明

沿岸水位抽出点における水位変動(m)の閾値到達時間(秒)が出力されるCSVファイルです。全抽出点および全閾値の到達時間がひとつのファイルに出力されます。

ファイル名

Land-InundationDepth-M[格子間隔]-R[領域番号]_t[出力時間].bin

種別

陸域浸水深スナップショットバイナリファイル

説明

陸域メッシュにおける浸水深(m)のスナップショットが出力される2次元バイナリファイルです。非線形計算が実行される最小格子領域において、出力時間刻みごとにファイルが出力されます。出力時間は単位秒、書式%06dの整数値で記述されます。

ファイル名

Land-InundationDepth-M[格子間隔]-R[領域番号].bin

種別

陸域最大浸水深バイナリファイル

説明

陸域メッシュにおける浸水深(m)の最大値が出力される2次元バイナリファイルです。非線形計算が実行される最小格子領域においてひとつのファイルが出力されます。

ファイル名

Land-ArrivalTime-M[格子間隔]-R[領域番号]_H[浸水深閾値].bin

種別

陸域浸水深到達時間バイナリファイル

説明

陸域メッシュにおける浸水深(m)の閾値到達時間が出力される2次元バイナリファイルです。非線形計算が実行される最小格子領域において、浸水深閾値ごとにファイルが出力されます。浸水深閾値は単位cm, 書式%04dで記述されます。


3.6. 計算結果のポスト処理

3.6.1. 時系列バイナリファイルのASCII変換

以下の手順でdump1d2asciiを実行し、津波伝播・遡上計算ソルバーの出力時系列バイナリファイルをASCIIファイルに変換します。

  1. 津波伝播・遡上計算ソルバーの出力ファイルが存在することを確認します。

  2. 以下のコマンドを入力します。

$./dump1d2ascii [Type] XXX.bin YYY.dat

XXX.binは変換対象とするバイナリファイル、YYY.datは出力ファイル名を示します。

[Type]は入力ファイルの種別を表し、以下のいずれかが指定可能です。

・'Z' : 水位時系列データとして処理

・'D' : 全水深変動時系列データとして処理

・'M','N' : 線流量時系列データとして処理

入力ファイルを指定しなかった場合、以下の使用方法が表示されます。

SYNOPSIS
    Usage: dump1d2ascii <DATA Type> <INPUT Time Series BINARY filename> <OUTPUT Time Series ASCII filename>
           <DATA Type>: 'Z', 'D', 'M', 'N'

DESCRIPTION
    dump1d2ascii converts Time Series BINARY file to ASCII file.

EXAMPLES
    $./dump1d2ascii Z ./Dump1dUni_Z.bin ./Dump1dUni_Z.dat

COPYRIGHT
    Copyright (C) 2012-2022, NIED, All rights reserved.

  1. 正常に終了すると、ASCIIファイルが作成されます。


例題計算ex01のdump1d2ascii出力可視化例

左 :ST_01(Dump1dUni_Z.bin)

右 :ST_28(Dump1dUni_Z.bin)

../../_images/3-6-1_ST_01.png ../../_images/3-6-2_ST_28.png

3.6.2. 2次元バイナリファイルのASCII変換

以下の手順でbin2asciiを実行し、津波伝播・遡上計算ソルバーの出力バイナリファイルをASCIIファイルに変換します。

  1. 津波伝播・遡上計算ソルバーの出力ファイルが存在するか確認します。

  2. 以下のコマンドを入力します。

$./bin2ascii  [SpongeNum] XXX.bin YYY.dat

[SpongeNum]は吸収境界メッシュ数、XXX.binは変換対象とする分布データバイナリファイル、YYY.datは出力ファイル名を示します。吸収境界のメッシュは出力時に除外されます。 TNS Version1.0/1.1のtns-solver / tns-solver_gpuでは吸収境界メッシュ数を50として計算します。

入力ファイルを指定しなかった場合、以下の使用方法が表示されます。

SYNOPSIS
    Usage: bin2ascii <Sponge Boundary Mesh Number> <2D Binary file> <OUTPUT 2D ASCII file>

DESCRIPTION
    bin2ascii makes a 2D ASCII file from 2D binary file generated by IWHMaker/tns-solver.

EXAMPLES
    bin2ascii 50 ./Z01_t000600.bin ./Z01_t000600.dat

COPYRIGHT
    Copyright (C) 2012-2022, NIED, All rights reserved.

  1. 正常に終了すると、ASCIIファイルが作成されます。

3.6.3. 2次元バイナリファイルのGISラスタ変換

以下の手順でbin2tiffを実行し、津波伝播・遡上計算ソルバーの出力バイナリファイルをGeoTIFFファイルに変換します。

  1. 津波伝播・遡上計算ソルバーの出力ファイルが存在することを確認します。環境変数LD_LIBRARY_PATHにGDAL-1.11.4/libのパスを追加します。

  2. 以下のコマンドを入力します。

$./bin2tiff  colormapXXX.dat [EPSG] [SpongeNum] YYY.bin ZZZ

colormapXXX.datはカラーマップファイル、[EPSG]はEPSGコード、[SpongeNum]は吸収境界メッシュ数、YYY.binは可視化対象とする分布データバイナリファイル、ZZZは出力ファイル名接頭文字列を示します。吸収境界のメッシュは出力時に除外されます。 TNS Version1.0/1.1のtns-solver / tns-solver_gpuでは吸収境界メッシュ数を50として計算します。なお、吸収境界メッシュ数を0にすると、吸収境界での挙動を確認できます。

入力ファイルを指定しなかった場合、以下の使用方法が表示されます。

SYNOPSIS
    Usage: bin2tiff <Color table file> <CRS EPSG> <Sponge Boundary Mesh Number> <2D Binary file> <OUTPUT GeoTIFF filename>

DESCRIPTION
    bin2tiff makes a GeoTIFF file from 2D binary file generated by IWHMaker/tns-solver.

EXAMPLES
    bin2tiff colormapZ.dat 3100 50 Z01_t000600.bin Z01_t000600

COPYRIGHT
    Copyright (C) 2012-2022, NIED, All rights reserved.

  1. 正常に終了すると、GeoTIFFファイル(ファイル名ZZZ.tiff)が作成されます。


例題計算ex01のbin2tiff出力可視化例

左 :D4000-M0810初期波高(Z01_t000000.bin)

中央:900秒経過時点水位スナップショット(Z01_t000900.bin)

右 :1800秒経過時点水位スナップショット(Z01_t001800.bin)

../../_images/3-6-3_initial.jpg ../../_images/3-6-4_900s_later.jpg ../../_images/3-6-5_1800s_later.jpg

3.6.4. 2次元バイナリファイルのnetCDF変換

以下の手順でbin2netCDF4を実行し、津波伝播・遡上計算ソルバーの出力バイナリファイルをnetCDF4ファイルに変換します。

  1. 津波伝播・遡上計算ソルバーの出力ファイルが存在することを確認します。

  2. 以下のコマンドを入力します。

$./bin2netCDF4  [EPSG] [SpongeNum] YYY.bin ZZZ

[EPSG]はEPSGコード、[SpongeNum]は吸収境界メッシュ数、YYY.binは可視化対象とする分布データバイナリファイル、ZZZは出力ファイル名接頭文字列を示します。吸収境界のメッシュは出力時に除外されます。 TNS Version1.0/1.1のtns-solver / tns-solver_gpuでは吸収境界メッシュ数を50として計算します。

入力ファイルを指定しなかった場合、以下の使用方法が表示されます。

SYNOPSIS
    Usage: bin2netCDF4 <EPSG> <Sponge Boundary Mesh Number> <2D Binary file> <OUTPUT netCDF filename>

DESCRIPTION
    bin2netCDF4 makes a netCDF4 format file from 2D binary file generated by IWHMaker/tns-solver.

EXAMPLES
    bin2netCDF4 3100 0 TPG_M0810-R0001.bin TPG_M0810-R0001

COPYRIGHT
    Copyright (C) 2012-2022, NIED, All rights reserved.

  1. 正常に終了すると、netCDF4形式ファイル(ファイル名ZZZ.grd)が作成されます。